中国旅行 6日目 回民街と碑林博物館

化覚巷というところが骨董屋の並ぶ通りだと聞いていたので、午前中、行ってみた。人がすれ違えるくらいしかない狭い路地に、みやげ物を売る店が並んでいて、アーケードみたく屋根もついている。骨董屋街というよりは観光地化した土産物街といった風情だった。

そこを抜けると、人のまばらな化覚巷とは打って変わって賑やかな商店街に出る。そこではクルミや、デーツやブドウや柿などの大量の乾燥果物(そう、中国にも干し柿があった)、さらに解体したばかりの生肉を売っている通りで、何より驚いたのは、火曜日の午前中だというのに、ものすごい人なのだ。

偶然のうれしい発見だった。

ドライフルーツは好きなので、とりあえずレーズンを買って帰って来た。後で調べるとイスラム教徒(回教)が多く住む「回民街」の一部だと思われ、頭にスカーフを巻いた女性や、漢族らしくない顔つきの人もいた。ガイドブックには、賑やかな通りだとは書いていなかった。またデーツでも買いに来ようか。


午後、とうとう碑林博物館に行って来た。75元(1500円)という、日本の有名博物館並みに入場料を取る。まあ、中国2500年の有名石碑が全国から4000も集められているのだから、しかたない。

火曜日とあってか、人は閑散といていた。この方がゆっくりみ見られていい。

石碑が4000あるとはいえ、書道で有名なのはそのうち数えるほどしかない。有名なのはガラスで石を保護してあるが、一方、名も無い小さいようなやつは、屋根もないところで壁に埋め込まれている。石碑にも、文字史上で重要か、もしくは資料として貴重か否かで、確然たるヒエラルキーがあった。

碑林にある有名な石碑は、顔真卿の「多宝塔碑」「顔氏家廟碑」など数種類。他に「曹全碑」(2世紀)、虞世南の「孔子廟堂碑」、欧陽詢の「皇甫誕碑」(ともに7世紀)などだ。

何年ものあいだ法帖でしか見てこなかった石碑との、初のご対面だった。顔法をいかんなく発揮した「顔氏家廟碑」の楷書は想像通りの力強さだったが、他のは、思っていたより文字が小さかった。石の彫りに関して言うと、それほど深くない。

書道とは関係ないが、ここにおさめられている「開成石経」のある一節(失念したのでWikipediaでお調べください)が、今の年号「平成」の由来であることはあまり知られていない。しかし、この石経は65万字あるので、その部分を探そうとも思わなかった。

奥の方に進むと、おじさんたちが拓本を作っている。碑林の拓本作りは、写真では見たことがあるが、ポンポンポンポン…と、タンポが石を打つ音がよく響く。


今日は2万7000歩も歩いた。無駄足を踏んで歩きすぎた。

また早めの行動をサボったために、上海行きの列車が一番高い寝台車しか取れそうにない。あーー。

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