投稿

8月, 2013の投稿を表示しています

『親子丼の丸かじり』・『深夜特急』・『紙』

イメージ
東海林さだお(2002)『親子丼の丸かじり』文春文庫 焼き鳥の皮が食べたくなった。 沢木耕太郎(1994)『深夜特急1』新潮文庫 これも「丸かじり」シリーズ同様、チェンマイに旅行して読みたくなった本。正確には、読み返したくなった本。いま4を終えたところだ(全6冊)。 高校のとき英語の先生が紹介していて、中途半端に面白そうな4あたりだけを借りてみたら、前かがみであっという間に読んでしまった記憶がある。ノンフィクション。海外旅行が今ほど活発でなかった時代、私の倍くらいの年齢の人を、何人か世界へと突き動かしたか知れないという。 全くの偶然に、その前に読んでいた『親子丼の丸かじり』で東海林さだおが、香港で強行軍の食い倒れツアーをやったと思ったら、今度は沢木耕太郎が、これまた旅の起点の香港で、浮かされるような熱気と喧騒の中をうろついていた。時代もすこし違うだろうが、彼らの2つの香港は空気がまるで違う。「丸かじり」の香港は、お日さまサンサン、気分ルンルン。対して『深夜特急』の香港は、どんよりムンムン、喧々囂々。共通なのは、どちらも刺激的で、強く惹かれることだ。 これを読むと、私がチェンマイでいかに無難で平凡で当たり障りのない日々を過ごしたかを思い知らされる。 寿岳文章 編(1988)『 日本の名随筆68 紙 』作品社 (画像なし) 私はどうも和紙が好きらしい。津村節子の和傘の話、芝木好子の「和紙を漉く町」、安倍永四郎の正倉院の雁皮紙の話、などにはため息が出そうになる。 3月 には独り岐阜県に行き美濃の紙漉きを体験した。寿岳文章は 4月 にひとつ読んだ。

『正書法のない日本語』・『味』・『書』

イメージ
今野真二(2013)『正書法のない日本語』岩波書店 日本語の表記には選択肢がある、というのが、本書を貫く主張。日本語には漢字、ひらがな、カタカナがあるという例のお話だけではない。漢文、万葉仮名から始まり、日本語には様々な表記のしかたがあった。(上から目線も甚だしいが)よく調べてあると思う。けど、目新しさはそれほどなかった。今月上旬、3時間くらいで一気に読む。 田辺聖子 編(1983)『 日本の名随筆12 味 』作品社 (画像なし) 4月に読んだ「 日本の名随筆 別冊 」に続けて、興味があるものだけ読んでいる。 「味」は、開高健、北大路魯山人、司馬遼太郎など、なんとか名前くらいは聞いたことがある人から、初めて存じ上げる人までの、30ほどのエッセイを収録。邱永漢の「食在廣州」には、彼の食通ぶりと食の奥深さに恐れをなし、藤沢桓夫の「大阪人はうどん好き」で、大阪のきつねうどんが食べたくなった。 小松茂美 編(1988)『 日本の名随筆64 書 』作品社 (画像なし) 「書」は、編者の傾向か、堅いものが多かった。恥ずかしい話だが筆者の中でも伏見冲敬、井上靖、夏目漱石くらいしかよく知らなかった。「秋萩帖」、会津八一、篠田桃紅などは今後チェック。遺偈(ゆいげ)、臨摹( りんも )は読み方がわからなかった。

チェンマイ食いまくり歩きまくり記 7日目

イメージ
24日(水)最終日 ごろごろの午前 8時45分に起きた。最後の日になって寝坊した。 ベッドから降りたら床が濡れている。雨は止んでいるのに、時間差で雨漏り。まじかよ。取りあえず雨漏りは無視して、朝ごはんを買いに行く。 ご飯15B、茶色いの10B。 右の春雨入りのやつ、香草はまだいいとしても、魚の骨みたいな硬いでかい塊を噛んでしまって、一気に興ざめ。 宿の前の洗濯屋さん。2回お世話になった。 昨日宿を出た19歳の彼女から、星新一のショートショートをもらっていた。日本語に飢えたバックパッカーたちが、互いの本を交換するというのは『深夜特急』か何かで読んだことがある。たぶんそれなのだ、たぶん。私は長期旅行者じゃないんだけど。 午前中は、星新一を読んだりパソコンをしたりしたら潰れた。 豪華な昼食 お昼ごはんを、やあまんさんとタイ人スタッフ(ニックさん)と一緒に行った。バイクに乗っけてもらって少し遠出。 「อีสานล้าน%(イサーン100万%)」というお店 連れて行かれたのはイサーン料理のお店。イサーンというのは「東北」という意味なんだそうで、タイ東北部の料理を出している。(Wikipediaで調べるとチェンマイは東北地方ではないんだそうで。) やあまんさんに、イサーン料理を食べないのは、日本に来てごはんと味噌汁と焼き魚を食べないようなもんだよと言われ、ここに来てよかったと思う。 注文はニックさんとやあまんさんに任せると、出てくるわ出てくるわ、イサーン料理の定番セット。 まずは豚ののど(คอหมูย่าง)。おいしい! そして鶏肉(ไก่ย่าง)。もちろんおいしい! 左はもち米。手で食べる。 ラープ(ลาบคั่ก)。挽き肉で少し辛い。 トムセープ。これがむせるほど辛い。 これがソムタム(ส้มตำ)。白いのはパパイヤ。甘味はない。 はい揃った。 贅沢なセット。タイ最後の昼食を飾るにふさわしい食事である。トムセープは辛すぎて味わうどころじゃなかったが、どれもとてもおいしい。 後ろを振り返ると、壁に何十枚も写真が掛けられている。ここに食べに来た有名人の写真だ。どうやらこの店は結構いいところらしい。そう言われてみると結構大

チェンマイ食いまくり歩きまくり記 6日目

イメージ
23日(火) おいしいデザート 何回目かのスヌーズで起きる。ドミトリーの人はまだみんな寝ている。(早起きだったけいたさんはおととい出発した。)玄関の鍵を開け、朝ごはんをを探しに行く。 何か目新しいものはないかと物色していると、屋台のおばちゃんが、これおいしいよとかなんとか言っている。見覚えがあるものだった。白くて甘いシロップ(ココナッツミルク)に、寒天状の物やタピオカとかが入っているやつで、前にチェンマイに来たときに1回食べた。すごくおいしかったのだが、名前は分からずにいて、ここで再会できてうれしい。 ご飯とそれにするつもりだったけど、その前に触っていた正体不明の揚げ物も袋に入れられちゃった。まあいいや、おやつにすれば。 ご飯15B、ココナッツミルク12B、揚げ物5B このココナッツミルクのデザート、後日はお目見えしなかったから、おめでたいときにだけ食べるものかもしれない。あとで考えてみると、今日は仏教の祝日だった。はじめショウガに見えた不思議な形の揚げ物は、揚げパンだ。朝食にこの3品ははちと多かった。 カボチャも入っていた。カボチャと思えないほど甘い。 ごろごろの午前 いままでの記事でだらだらと長文を書いたけど、今日のは短くなりそう。なにせ午前は何もしていないから。というかおしゃべりしかしていないから。 すっかり仲良くなった宿の女性2人とリビングでひたすらしゃべっていたと思う。こういう無為な時間が幸せ。 11時半、昨日買ってきたマンゴーとドラゴンフルーツを3人で食べた。 1個は昨日食べました。 ドラゴンフルーツは4つに切ってスプーンですくって食べる。初めて食べたが、けっこう淡泊。 桑の実の味に似ていると言ったが、宿の誰も桑の実を知らなかった。小学校からの帰り道に食べなかったの?( 桑の実で画像検索 ) 13時40分、3人でカオソイを食べに行った。この前やあまんさんに教わった店に、今度は私が案内してあげたというわけだ。2度目のカオソイ。 「カオソイ鶏肉のせ2つと、豚肉のせ1つ」 とタイ語で注文したら完全に通じて、すごくうれしかった。 今回は豚肉のを試したけど、オーソドックスな鶏肉の方が好きかも。改めて言うが、こんなおいしいのが100円ちょいで楽しめる。

チェンマイ食いまくり歩きまくり記 5日目

イメージ
22日(月) 悩む 7時半、起きる。 朝ごはんは、違うものを食べようと思って、魚にしてみた。名前は知らぬ。15バーツ。ごはんも、チャーハン+玉子のせなので15バーツ。 チャーハンは相変わらずおいしいけど、魚はカリカリに揚げてあって、身が少ない。物足りない。 昨日もらったランブータン。冷やして食べるとおいしい。 この宿、4泊しか予約していなかったので、今日チェックアウトして、他の宿を探す予定でいた。でも、ここすごく居心地が良くて、延泊するか迷っていた。 それに、もうチェンマイでの目標はだいたい果たした。毎食タイ料理食べてるし、友達にも会えた。今日から、急に暇になった。それどころか、士気が落ち込んできた。宿でダラダラしているだけも幸せなのだ。1週間も同じ都市は、ちょっと長かったのだ。 他の都市を点々としている宿のみなさんにつられて、急遽予定を変えてどこかに行こうかと考え始めた。まだまるまる3日ある。チェックアウトの時間までに、今後の予定を決めなきゃいけない。 行くとしたら、チェンライだと思った。チェンマイよりさらに北にある都市で、バスで4時間弱。今日出て、観光して、一泊して、観光して、それで明日の午後にでもまたこの宿に帰ってくればいい。チェンライは小さい都市だから、短い時間でもまわれる。私が特に見たかったのは、友達がおすすめしていた ワット・ロン・クン というお寺。タイのデザイナーがデザインした白くて新しくてコテコテのお寺だ。 でも、ワット・ロン・クンはチェンライの中心からはかなり遠いのだ。バスでチェンライまで行って、またバスでワット・ロン・クンまで行って、また中心地まで戻るというのは、正直面倒臭い。そういう面倒臭さを急に覚悟できるほど、私は実行力にあふれていない。そういうのは日本でちゃんと計画して心の準備をしておきたいのだ。 チェンライでの宿だが、一応よさそうなところは見つけた。バスも、宿のタイ人のスタッフにいろいろと調べてもらったところ、(確か)片道260バーツだという。思ったより高いが、財布には余裕がある。 『地球の歩き方』と、にらめっこする。タイまで来たのだから、いろんな経験をしたいという気持ちと、それにかかる少なからぬ時間と手間と労力との葛藤に、悩みに悩む。私はそういう損得勘定にすごくこだわってしま