2012年2月3日金曜日

コンピュータの構想者チューリングの日本語版伝記

私は初期のコンピュータにも少し興味があります。コンピュータの基礎を築いた人物として、アラン・チューリング(1912-54)とジョン・フォン・ノイマン(1903-57)だけは聞いたことがあったので、まずはチューリングの伝記を読みました。

甦るチューリング―コンピュータ科学に残された夢 [単行本] / 星野 力 (著); NTT出版(刊)



チューリングの伝記で最も有名なのはAndrew Hodgesの”Alan Turing: The Enigma”ですが、今回読んだのは(私の知る限り日本語で最も詳しいチューリングの資料ですが)その邦訳ではありませんでした。

その時点でがっかりです。このがっかりが、本書で感じた全がっかりの7割を占めたと言っていいでしょう。なぜなら、私は根っからの原典主義で、私の興味のある分野の本では、最も有名で基本的でオーソドックスなものをまず読むということを一番心がけているからです。

しかもこのホッジスによる伝記、600ページ近い大作で、伝記そのものとしても最高ランクの評価を得ているらしいと来た。対して私の読んだののページ数はその半分以下。なぜオリジナルが翻訳されていないのだ(泣)。

我慢しながら読んだものの、主眼はチューリングの開発した数学の理論や暗号解読法、それらに関する難しい哲学であり、チューリングの生い立ちや人となりの記述は簡潔にして最低限でした。彼の苦悩とかエピソードとか、心の内面をもっと知りたかったです。

それに、本書の論旨である、「今チューリングを語らずしてコンピュータを語れない」ということを強調したいのなら、もっと明確に主張と根拠を示し、難しいことをもっと分かりやすく書いてもらいたかったです。

さもなければ、本書を読んだという気にはなっても、技術的なことも含め全て理解できたという人はほとんどいないのではないでしょうか。事実、コンピュータ科学や科学哲学にめっぽう暗い私は、とりあえず1回、目を通してみて、本書の2/3は理解できませんでした!

2 件のコメント :

  1. チューイング2012年2月8日 20:45

    タイトル見た時
    一瞬俺のこと書いてると思った(^_^;)
    ��ューイングと似ているじゃないか…

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  2. 確かに! 気付かなかった。

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