タイの少数民族の村で教会の床を作るワークキャンプ(まとめ)

やっとタイワークキャンプの9日間をまとめ終えた。

さて、以下に、先日私がICU宗務部に提出したTWCの報告書を、ブログ用に修正して掲載する(文章自体は変えていない)。わざわざ掲載する理由は3つある。(1)時間でない軸でまとめられているから。(2)これまでの記事に書かなかったことが書かれているから。(3)簡潔であり、まとめ的な性格を持つから(9日間のTWCがA4紙1枚に詰まっている)。

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タイワークキャンプ
百瀬 2012年3月

(この素晴らしい9日間を、この少ない紙面にどう収めたものか。)
私がこのTWCで得たものは、4つに分けられる。人、言語、食文化、そして生活と伝統だ。

――多くのPYU生やスタッフ、ホイクンの村の人たち、そしてICUのみなさんと出会った。「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする」とはドイツの詩人シラーの言葉だそうだが、まさに真理である。毎日毎日、たくさんおしゃべりし、笑った。村での夜のレクリエーションは、本当に楽しかった。村人の暖かさにも触れた。村の子供たちは、みんな挨拶を返してくれた。あと、さもこちらが理解しているように普通にタイ語で話しかけてきたおじさん、私の乏しいタイ語ボキャブラリーで「食事」としか答えられなくてごめんなさい。

言語――理由もなく言語が好きだ。ツールとしてではなく、言語そのものが好きだ。日、英、タイ、カレンの4か国語の飛び交うこのワークキャンプでは、私の言語学的好奇心も大いに刺激された。タイに行く前に、少ないながらもタイ語の知識を持っていたことは、大いに役に立った。PYUのみんなのおかげで、2、30の単語を覚えられたし、しばらくサボっていたタイ語をまたもっとしっかり勉強しようと思った。それに、カレン語というマイナーは言語に触れられたのも嬉しかった。このチャンスを活かすべく、ドイにカレン語の数字を教わった(もうスラスラ言える!)。

食文化――タイの食べ物は、おいしく、大好きになった。辛くて、甘くて、ヘルシーでもあった。タイにまた行きタイと思わせる最大の動機の一つだ。

生活と伝統――タイの衛生環境と交通環境には慣れた。むしろ、楽しんだ。沢木耕太郎の『深夜特急』を少し読んだことがあったので、それなりの覚悟はしていたのだが、寮の部屋といい、村のトイレ設備といい、PYUのトラックの屋根といい(屋根無しを想像していた)、確かに日本のとは違ったが、予想以上に居心地は良かった。逆に、手洗いの洗濯や、濁った水での手洗いや、油まみれの水での皿洗いをするにつけ、日本は清潔過ぎると思った。これだけ衛生状態がよろしくなくても、私は食中毒にならなかったのだし。(「回虫博士」藤田紘一郎氏も、日本の潔癖主義に警鐘を鳴らしている。)

そして、カレンの村でのホームステイは、なんて貴重な体験だったのだろう! 民族衣装、木造の家、囲炉裏、チャボ、豚、坂道、赤土、まな板……。都市では味わえない、伝統の残る生活様式の体験は、人生の肥やしになった。

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このTWCで得たものは計り知れない。観光では絶対味わえない経験と出会いと挑戦があった。このようなイベントが、今後何度あるだろうか。この9日間は、間違いなく人生の糧になった。

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