2017年1月4日水曜日

「書家」には方向性を全く異にする2つのタイプがいることをご存知だろうか

その2タイプ、勝手に名付けて「マスコミ若手書家」と「公募展大御所書家」という。

上海の街角で

一部は私の推測もあり、なおかつ、すこぶる紋切り型な分類であることは申し上げるまでもないが、「マスコミ若手書家」は、ネットが普及した2000年代に登場し、以下のような特徴を持つ。

活動形態として
・しゃれた公式サイトを持ち
・仕事はネット経由が多く
・パフォーマンスを行ったり
・マスコミに出たり大衆向けの本を書いたりするが、
・大手公募展には出品しないことが多い
・自身の教室は必ずしも持っておらず
・主に広告や商品ラベル等に書を提供することが仕事で
・しばしば欧米を意識している

作品形式として
・強烈な個性の書風を開拓し
・1文字ないしは数文字、あるいは平易な散文が主な作品である
・客観的評価(大手公募展の入選等)が皆無または乏しく、実力のバラつきが激しく
・媒体は紙に限らず、布、電子媒体、入れ墨など多岐にわたる

例:武田氏、中塚氏


対して「公募展大御所書家」は、公募展というものができた戦後以降に登場し、以下のような特徴を持つ。

活動形態として
・ネットを使わないので
・仕事はリアルで受けることが多い
・パフォーマンスを行わず
・マスコミに滅多に出ず、本を書いても玄人向けで
・公募展に出品するのが仕事である
・多くの弟子を抱えており
・主に弟子からの月謝で生計を立てている
・国際的意識はせいぜい中国

作品形式として
・古典に則った書風を確立しており
・漢詩、和歌、その他文学を基調とした作品が主である
・有名な公募展の審査員等の肩書を持ち、一定以上の技量があり
・媒体は紙、印材(=篆刻)、銘木(=刻字)がほとんどである

例:「現代書道二十人展」の各氏

この2タイプの中間として、例えば「大御所書家」的な作品を作りながら、ネットも精力的に使っている人もいる。そういう人の仕事は、ネット経由が半分、リアルが半分なのだろうと思われる。一つの尺度として、サイトにお金を使っていそうかどうかを見れば、その人がどれだけネットに頼っているかを推し量ることができる

まれに、どちらのタイプにも当てはめがたい方がいて、そういう方は、表舞台にほとんど出ずに、独自に創作活動をしている。(趣味でやっている人、という意味ではない。)ただし、私の知る限り、そういう方も、有名な書家を師に持っていることが多いので、作品としては「大御所書家」側である。そういう方々を発掘するのは大変難しいが、個人的に、そういう方々の作品には特別な魅力を感じる。

日展、読売書法展、毎日書道展レベル

2 件のコメント :

  1. 2タイプというより2軸のマトリクスとかのほうがまとまるのかなぁ。大御所系師匠筋のマスコミ若手もいるからタイプ分けに影響を与える要素では年齢/世代(それに伴うキャリアとか政治力とか)も結構大きい気がするね。これも適当論ですが。

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    1. コメントありがとうございます!おっしゃる通りです。両方の要素を持っている人もいますので、私の2タイプはやはり両極端を述べただけですかね。ネットと若者はたいていの場合同値なので、年齢のことはタイプ名でしか触れていませんが、かと言ってベテランの書家でもネット側の人もいますので、単純でないですね。

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