場末、釣果

漢字は得意な方だ。

書き、読み、書き順はもちろん異体字、旧字、篆隷皆行草、諸々の雑学に人よりは通じているつもりだ。

しかしながら、場末と釣果を読めていなかった。

頻繁には見ない言葉だから声にこそ出さないものの、バマツ、ツリカ、かなと頭の中でぼんやり思っていた。

熟語のほぼ全ては訓訓、音音の組み合わせである。訓音、音訓という組み合わせの熟語は極めて少ない。特殊なので名前がついている。前者を湯桶読み、後者を重箱読みという。訓訓、音音の原則を知っていれば、知らない熟語に出会っても読みを特定できることが多い。もちろん各漢字の音読みと訓読みを把握しているのが前提ではあるが。

大学を卒業して22、3歳のとき、心根という言葉をシンコンと読み誤ったことがある。もちろんココロネが正しいのであるが、訓訓、音音の原則を知っていなかったらシンネとかココロコンとかいうもっと恥ずかしい読み違いをしかねなかった。

人名や人名に由来する固有名詞には、湯桶読みや重箱読みがたまに見られる。滝清(タキセイ)、西源(ニシゲン)は実在する会社であり、ともに創業者の名前に由来する。(沢村)一樹(イッキ)は重箱読み。

仮に「一葉」という字面(ジヅラ、そうこれも重箱読み!)の名前があったら、イチヨウとカズハは自然な読みだろうけど、カズヨと読ませたら個人的にもやもやした気分になる。DQNネームには音訓ごちゃ混ぜが多く、目にする度もやもやする。

バマツ、ツリカ…、なんとなく気持ち悪い読み方だと思っていたら、案の定どっちも湯桶読みなのであった。

コメント

このブログの人気の投稿

「書道八段」は大した称号じゃない

「55個の母音を持つ言語」というギネス記録は間違いである

「お腹と背中がくっつくぞ」の勘違い