2014年2月27日木曜日

米国方言協会の選ぶ「2013年の言葉」は「because」・・・なぜ

時期を逸した話題となってしまうが、去年2013年の流行語大賞は「今でしょ!」、「お・も・て・な・し」、「じぇじぇじぇ」、そして「倍返し」だった。どれもテレビを通して広まった言葉だった。

話は一気に海を渡る。アメリカでも、「流行語大賞」のようなものは一応あって、American Dialect Society(米国方言協会)が、毎年初めにWord of the Year(今年の言葉)を発表している。例えばおととし2012年のWord of the Yearは、「hashtag」だった。ツイッターの流行で広まった言葉で、受賞したのも頷ける結果である。

だが、2013年のWord of the Yearは、なんと「because」だった。古くから英語にあるbecause。そう、何の変哲もないあのbecauseであった。ああ、becauseに何があったというのか。

どうやら、ネットスラングとして、becauseが新しい用法を発達させているらしい。

中学校で習ったように、becauseは、辞書の上では接続詞だ。それ以上でもそれ以下でもない。becauseの後に続くことができるのは、主述をもった節か、「of」で始まる前置詞句のみである。

だが最近、くだけたインターネット表現として、「because science」や「because tired」のように、単語のみを従えるようになってきているらしい。

時間とスペースを省略したコミュニケーションが要求されるネットの世界では、簡潔な表現が好まれる。大部分のネットスラングは、「lol(langh out loud=爆笑)」とか「誰得(=誰が得をするのか)」などの省略語だ。「because+単語」も、文を短く済ませようという省力化の流れの一つの結果だろう。

しかし、「because+単語」の新用法は、特殊な部類のネットスラングだ。becauseは新語でも省略語でもなく、その統語的機能が変化したのである。(統語=ある要素の文の中での役割や、文の要素の並べ方についての決まり。)

ネットにおいてある語の意味や形態に変化が起こるとき、ほとんどの場合、品詞まで変えることはない。しかしbecauseの場合、接続詞から「接続詞ではない何か」に変化したのである。「接続詞ではない何か」と表現したのは、becauseのこの新用法を一つの品詞で捉えられないからだ。名詞(句)の前に置かれるから、前置詞と言いたいところだが、形容詞なども続くことができる。名詞や形容詞などを同時に従えるような品詞はない。(だからといってbecauseのためだけに新たな品詞分類を作るわけにもいかない。)

さしあたっては、名詞が続くときは前置詞として、形容詞が続くときには、接続詞なのだが、because (I am) tiredのように省略が起こったと見てはどうだろうか。

ところで、日本語のネット特有表現で、この「because+単語」に相当するものがあるだろうか。品詞が変わったという点では、「ググる」がある。「グーグル」という名詞が(少々の音韻変化を経て)動詞になったのが「ググる」だ。(他にあれば、ご教授お願いします。)

「ググる」はネットの世界をすでに抜けだして、日常会話でも使われているから、「because+単語」よりも市民権を得ている。「because+単語」の用法が辞書に載るのも、時間の問題か。

以上、The Atlanticの下の記事も参考にした。興味のある方は、リンクをたどって、いくらでも「because+単語」を堪能することができる。
English Has a New Preposition, Because Internet

この用法は、「いかにもブログ調で、きわめてくだけた感じで、そこはかとなく皮肉的」なのだという。ネイティブじゃないから分からん!

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