2013年9月18日水曜日

大量のレジ袋で荒縄をつくる

これ全部、レジ袋だけでできている

荒縄とは、わらで作った縄である。現代ではあまり使わないが、正月のしめ縄飾りなどで、見る機会はたまにある。私は地元で農作業をよく手伝っていたので、荒縄はかなり身近で、人よりは慣れ親しんでいると思っている。そういうこともあって、私は実は縄が作れる。

いきなり話は変わるが、私の部屋にはスーパーなどでもらったビニール袋がたくさんたまってしまっていて、邪魔だ。

ある日閃いた。そのレジ袋で荒縄を作ってしまえばいいのではないか。

*この記事は、デイリーポータルZの西村まさゆきさんの記事「ポータブルしめ縄でお前を神社っぽくしてやろうか」から着想を得た。

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ビニール袋は、スーパー、コンビニ、本屋などで、毎日のようにもらえる。私は極力もらわないようにしているのだが、上京してからの約2年半、捨てずにとっておいたら、100は裕にたまってしまった。いい加減邪魔になってきた。使い道はないが、捨てるのははばかられた。

そして、いつだったか、そのレジ袋を細く切って藁筋に見立てれば、縄が作れるのではないかと思いついた。レジ袋で作る荒縄、略してレジ縄。リサイクルにもなって、いい。キザな言い方をすれば、現代の消費社会と、過去の農業社会の邂逅である。

私の地元では、正月前に公民館でしめ縄講習会というのがあった。私は父に連れて行かれた際に教わっていて、縄とゴボウ締めくらいは作れる。だから毎年しめ縄を買わずにすんでいる。縄を作れる人は今どきそうはいないと思っているので、私のささやかな誇りである。

ちなみに、縄を作るのには「綯う(なう)」という動詞があり、私はそっちをよく使ってきたので、以下では「縄を綯う」と表現したい。

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この企画を行うにあたって、中学生のころから一緒に数々の企画をしてきた友人のアンチェコ(@botti184)に、レジ袋で縄を綯わないかと誘ってみたら、一瞬で乗ってきてくれた。こんな酔狂な打診に、彼は聞き返しすらしなかった。さすが彼、持つべきものは友である。

アンチェコ(左)とももせ(右)です。

彼と縄を綯うのは実はこれで3回目である。1回目は中学3年の2学期の終業式の日(2007年)で、2回目は高1の天皇誕生日(2008年)だった。

この2つは高1のときに作ったもの(写真が小さくて申し訳ない)

ちなみに大学1年のときには草履も作った(そのときの記事

しめ縄の話ばかりしたが、今回レジ袋で作りたいのは、とりあえず縄、ただの荒縄である。

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曲がりなりにも、せっかく昔の手仕事に思いを馳せるのだから、ロケーションは縁側があるような古民家がいい。というわけで、私の通う大学にある、泰山荘(たいざんそう)というところで綯おうと思う。

泰山荘入り口

この泰山荘は大学創立のはるか前からある建物で、文化財にも指定されている。キャンパスでも人の喧騒から隔絶されたところに、ひっそりと建っていて、学生はめったに来ない。私たちは、いくつかある建物のうち、縁側の広かった「書院」というところでレジ縄を綯うことにした。

書院

縁側

9月のある晴れた日の朝9時40分。まずレジ袋がどれだけの量なのかを見てみよう。

どばどば!

バサァ!

私だけでなくアンチェコも、このために袋を集めてくれたので、数としては、私:アンチェコ=2:1か3:2くらいだ。

写真では意外と少なく見えるかもしれないが、ほとんどは小さく畳まれているので、本当に大量である。(面倒くさくて数は数えていない。)これが後に合計16メートルもの縄になるのだ。

これらを細く切っていく。

持ち手を切って

側面をさばいて

細く裂く

単調作業な上、ビニール袋は非常に柔らかく、マチの部分の形が複雑だということに気づいた。切りにくいことこの上なく、きつい。

だから、こういう細くもなくまっすぐでもないのが往々にして生まれる

道のりがとても長いように思われた。これは切るだけで午前中を回ってしまうのではないか。そう思えた。

数十分の成果。まだまだ。

効率的な切り方を開発し、足を使い始めた僕。

途中、足を使い始めた。手仕事においては、四肢も道具になる。私の中の原始的ななにかが目覚たのだと思う。

さらに、側面を捌かなくても、そのまま切り始めたほうが速く巧く切れることが判明した。(なんで気づかなかったのだろう。)こうして能率は3倍くらいになった。

11時半ころ、多少手つかずの袋が残ってはいたが、十分な量は切れたと思ったので、綯い始めることにした。

切り終わりの図。左がアンチェコ(主に白)で右が僕(主に色つき)。

白いレジ袋が多かったので、まずは白い縄を作りたい。

綯い方だが、束を2つに分け、両手で強く挟み、右手を手前に、左手を奥に動かしながらねじる。基本的にはそれだけだが、慣れるには時間がかかる。文章だけで説明しても分からないと思うが、あとで動画をのせたのでそれを見ていただきたい。

できてるできてる!

さすがに藁よりは相当にやりにくいが(ツルツル、サラサラしている)、ちゃんと縄ができている。よかった!

10分でこのくらい

30分でこのくらい!

30分くらいで1メートルくらいができた。12時20分から昼食のため一時中断し、1時40分に再開。

縁側は常にこの乱雑(ごめんなさい泰山荘)

この1本はこれでいいとしよう

白いひもが少なくなってきた。手と目と腰が疲れてきたので、この1本はこれで完成とすることにした。縄からピョンピョン出ているのは、付け足したひもで、あとで切り取るので気にしなくてもよい。

でもまだひもは全く終わる気配がない。今度はカラフルな縄を作る。

父に教わったこの結び方も特殊なのだ。単純にして固い。

ぱっと見多かった、ベージュ系と群青系の2色の縄を作ろうと思う。

大手スーパーÆなどのベージュと、某中古本店Bの群青や某電気店Yの黒などが編み込まれている。

ホイホイ綯います

動画を撮った。


これを綯っていた気付いたことがある。袋に色が付いているということは、それだけ袋にお金をかけているということなのだろう。そのためか、厚手で硬く、綯いやすいのだ。対して白や透明のレジ袋は、薄っぺらくてへなちょこで、本当に綯いにくい。また一つ変な知識を得た。

遠くから見るとトラロープではないか

色合いはよくないが、出来上がったものを見るとトラロープそっくりだ。

ずっと座りっぱなしのうつむきっぱなしなので、そろそろ本格的に疲れてきた。腰が痛い。尻が痛い。目が疲れた。汗がべたつく。蚊に刺される。顔がゆがむ。手がスッベスベになったり、汗でベッタベタになったりする。

日が傾いてきた。時刻は5時になろうとしている。

だが、先は見えているのだ。ひもが、どんどん少なくなってきた。

色つきは、残るは暖色系のみだ

アンチェコは残った白系を担当してくれている

暖色系の3本目

某ディスカウントストアD、某ブックセンターI、某衣料品店Sなどの袋が、黄色や赤だ。買い物のレベルが知られてしまいそうだ。

3本目ともなると手つきはすっかり慣れ、どんどん進む。いや、疲労で仕事がいい加減になってきたのかもしれない。

5時半に、とうとう終わった。一時は終わらないかもしれないと思ったが、最後は追い込んで終わらせた。

少し残っているものがあるが、色的に使いにくかったからだという言い訳で勘弁してください。

終わった!

あとは、はみ出た部分をチョキチョキ切れば・・・、

終了!!(おおっと猫が)

暗くてよく見えないが、計4本できた。僕のが3本、アンチェコが1本だ。人の身長と比べてみると、その長さが分かる。

気になる長さだが、おおよそ以下のようになった。

アンチェコ白315c、ももせ白415cm、トラ350cm、暖色515cm

合計すると16メートル弱だ。

さて、作ったからには、使ってみなければただの邪魔。無用の長物だ。使ってみてその真価を問いたい。

日を改めて、この縄を色々に使ってみた。もう少しお付き合いください。下のリンクからどうぞ。

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