万葉仮名 漢字か否か という問題

お久しぶりです。

書道部3年は基本的に4月から忙しいですが、6月以降、つまりここ1ヶ月半は部、テスト、文化祭関係で猛烈に忙しく、レビューをブログに書く時間どころか本を読む時間すら無かったもので…。

この怒涛の時間が何事も無かったかのように終わり、久しぶりにわが学校、わが生活が(疲労を残しながらも)平穏を取り戻したと思うや否や、今日から夏休み。(私はこの時期をもって書道部を引退となります(ノ´д`))

この切り替えがキーですね。

長野県の短い夏休み中の時間のやりくりへの少なからぬ不安はもちろんのこと、この休み中に続く連日の補習にも出なければならないという負担が重くのしかかります。ちなみに私は暑さにめっぽう弱いので、温度(と湿度)も勘弁してほしいですまじ。

前置きが長くなりました。

さて、今までブログ内で何度か報告してきた漆塗りの木皿作品ですが、7月3日(土)に三度目の塗りをして完成しました。(1回目の塗りの記事は5月15日2回目のは5月31日の記事)。

塗ったあとは乾燥させるので、完成品を見たのはそれから約2週間後でした。

これは書道部の活動の一環として縁あって行ったもので、部員1人1枚ずつ作ったのです。自分で考えた言葉を揮毫した人もいれば、好きな歌の歌詞や、好きな漢字1字を揮毫した人もいます。漆はもちろん職人の方のご指導の下で塗りますが、出来た皿の、色もつやも1枚1枚違います。それだけ繊細なのですね。(もちろん本職の方が作るものは、そんなムラが出てはいけないと思うのですが)

自分で作品を作ることを通して、漆塗りという日本の伝統文化を学べて、これまでに無く貴重な体験が出来ました。

さて、字ばかり書いて説明されるだけではよく分からないと思いますので、この場を借りて私の漆皿をお見せしたいと思います。

万葉集の和歌を一首、万葉仮名で書きました。釈文、口語訳は写真とともにのせましたので参照下さい。



長意吉麻呂(ながのおきまろ)の歌

醤酢爾 蒜都伎合而 鯛願 吾爾勿所見 水葱乃煮物

釈文(しゃくもん):醤(ひしお)酢に 蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて 鯛願ふ 吾にな見せそ 水葱(なぎ)の煮物(あつもの)

口語訳:醤と酢にひる(=植物)を搗いて混ぜて鯛を食べようとする私に、水あおいの煮物を見せてくれるな。(迷ってしまうから。)

お皿に書くからには食べ物に関する歌にしました。とても面白い歌です。

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