チェンマイ食いまくり歩きまくり記 7日目
24日(水)最終日
ごろごろの午前
8時45分に起きた。最後の日になって寝坊した。
ベッドから降りたら床が濡れている。雨は止んでいるのに、時間差で雨漏り。まじかよ。取りあえず雨漏りは無視して、朝ごはんを買いに行く。
ご飯15B、茶色いの10B。 |
右の春雨入りのやつ、香草はまだいいとしても、魚の骨みたいな硬いでかい塊を噛んでしまって、一気に興ざめ。
宿の前の洗濯屋さん。2回お世話になった。 |
昨日宿を出た19歳の彼女から、星新一のショートショートをもらっていた。日本語に飢えたバックパッカーたちが、互いの本を交換するというのは『深夜特急』か何かで読んだことがある。たぶんそれなのだ、たぶん。私は長期旅行者じゃないんだけど。
午前中は、星新一を読んだりパソコンをしたりしたら潰れた。
豪華な昼食
お昼ごはんを、やあまんさんとタイ人スタッフ(ニックさん)と一緒に行った。バイクに乗っけてもらって少し遠出。
「อีสานล้าน%(イサーン100万%)」というお店 |
連れて行かれたのはイサーン料理のお店。イサーンというのは「東北」という意味なんだそうで、タイ東北部の料理を出している。(Wikipediaで調べるとチェンマイは東北地方ではないんだそうで。)
やあまんさんに、イサーン料理を食べないのは、日本に来てごはんと味噌汁と焼き魚を食べないようなもんだよと言われ、ここに来てよかったと思う。
注文はニックさんとやあまんさんに任せると、出てくるわ出てくるわ、イサーン料理の定番セット。
まずは豚ののど(คอหมูย่าง)。おいしい! |
そして鶏肉(ไก่ย่าง)。もちろんおいしい! |
左はもち米。手で食べる。 |
ラープ(ลาบคั่ก)。挽き肉で少し辛い。 |
トムセープ。これがむせるほど辛い。 |
これがソムタム(ส้มตำ)。白いのはパパイヤ。甘味はない。 |
はい揃った。 |
贅沢なセット。タイ最後の昼食を飾るにふさわしい食事である。トムセープは辛すぎて味わうどころじゃなかったが、どれもとてもおいしい。
後ろを振り返ると、壁に何十枚も写真が掛けられている。ここに食べに来た有名人の写真だ。どうやらこの店は結構いいところらしい。そう言われてみると結構大きいしきれいだ。なにせインラック首相の写真まであったんだから!
国立博物館とワット・チェット・ヨート
午後2時半、今日も歩数を稼ぐべく、かねて行こうと思っていたチェンマイ国立博物館と、その道すがらのワット・チェット・ヨートに行くことにした。中心街から離れているので、行きは乗合タクシーを使った。
View Chiang Mai Trip 2013/07/18-25 in a larger map
ワット・チェット・ヨートまで乗せてもらって、博物館まで歩いて行こうと思ったら、道が車がビュンビュン飛び交うハイウェイであることに気づき、ものすごく不安になる。まず、ここを歩いていいのかという疑問と、明らかに歩行者を想定していない道路を衆人環視のもと独り歩くという、決まりの悪さ、恥ずかしさ。
歩行者が人っ子一人いないどころか、車に乗っていない生身の人間は、時たま道端で露店を開いている人のみ。そこを現地人らしからぬ人がほっつき歩いていたら、場違いもいいところ。あたかも道に迷った旅行者ではないか。
滞在中だんだん分かってきたのだが、タイは、少なくともチェンマイは、歩行者にやさしくない。チェンマイ人にとって、移動手段は車かバイクであり、歩いて数分のところでもバイクを使う。そんなわけで歩行者のための信号はないので、大通りを渡るのは一苦労なのだ。日本の常識でもって徒歩で移動すると、市街地でない限り歩行者が他にあまりいないので、浮く。現地人になりきるには、バイク(か自転車)を借りたほうがいいのだ。
しかも蒸し暑い。
距離感覚も分からないし、一向に案内板もないので、この道で合っているのかと思い始める。1キロ以上は歩いたろうか、暑さにバテそうだったので本当は数百mだったかもしれないが、それらしい道に入るとそれらしい建物がようやく見えた。地味に看板があった。ここに来られただけで達成感。
門。たしかにここなようだ。 |
どこかひと気がない。門を入ると受付か守衛のようなところがあって、人がいたが、お金はどこで払うのだろう。知らぬ顔して通りすぎても呼び止められなかったので、入口の方へ向かう。
入口が閉まっているような気がして嫌な予感がするが、
「休館日 Asanha Buchaの日 7月24-25日」 |
えぇ!おい、休みじゃないか!
火曜日休館だというから昨日は来なかったのに、汗を流してここまで来て、休館日とな? 急に疲れた気がした。
タダで帰るわけには行かないので、負け惜しみに、建物の前に移設してあった炉の遺構を撮ってきた。
これと、 |
これ。 |
あと、何もなさそうだったが建物の周りも歩いてみた。殺伐としたハイウェイからわずか数十mにあるとは思えない、樹陰濃き敷地。表はきれいに整備されていたが、裏に回るとゴミだらけだったのに幻滅。
疲労感以外に得るものがないまま、荒涼とした炎天のハイウェイに戻り(実際は曇っていたのかもしれないが、僕の感覚では炎天だった)、ぽつねんと歩く。赤い乗り合いタクシーが途中何台か、乗るに違いないと思ってか、私のそばでスピードを緩める。だけど私はワット・チェット・ヨートに行きたいので、無視させていただく。もう決まりが悪いったらありゃしない。
ワット・チェット・ヨートは『地球の歩き方』に載るくらい歴史ある寺院なので、初めてちゃんと寺院観光をするのだし、せめていいところであってほしいと願った。
人はポツポツいてなんか安心したが、こんな周囲に何もないところに来る観光客も物好きだなと思った。お参りに来た現地の人がほとんどではあったが。
期待は裏切られ、見どころが少なかった。感動があまりない。
ほぼ唯一と思われる見どころの建物。15世紀の建立という。 |
お寺で撮ったのはこの2枚のみ。 |
ここでも得るものが特に無いまま、帰路につく。車の往来激しいハイウェイ脇を、また南下する。なんかみじめ。
やっとハイウェイの終わる交差点まで来たら、ホッとした。やっと道沿いに店があり、歩道があり、人の気配がある。それでも歩行者は弱い立場に置かれるのであるが。
宿に着いた時間は、日誌には「15:50?」と書かれている。嘘だ。2時半に出たから、たった1時間20分で今までの行程を来たというのか。熱暑に浮かされて時間が長く感じられたとしても、にわかには信じがたい。
アートさん
今日、宿には見知らぬタイ人が来ていた。宿泊客ではなく、誰かの友達という感じだった。彼はアートさんといって、日本の女の子が大好きで、ニックさんと同じ日本語学校に通っていたから日本語がかなり話せる。
彼、いろいろ話しかけてきて、帰った後はなんだかんだアートさんと話していたら時間が潰れた。
雨が降っていたけど、6時半に日本へのおみやげを買いに行くのにも付き合ってもらった。
近所の例のショッピングモールで、ココナッツビスケットやドライパパイヤやバナナのお菓子やカップラーメンを買った。
日本食
アートさんとやあまんさんとで夕食に行くことになった。最後の晩餐。近所の「忍者ラーメン」というところで日本食になった。滞在中は日本食は食べないと決めていたけど、まあいいや。
初めて見たという理由でバターラーメンにしてみたが、あんまりタイ風に染まっていなくて、かなり日本だ。タイ料理もかなり味が濃いが、日本のラーメンも濃いと気付いた。なんか面白みがない。
バターラーメン |
焼き肉のどんぶり。彩度が高い。 |
アートさんは牛の焼き肉のどんぶりだった。やあまんさんはカレーだったような気がする。今これを書いているのが食事後だからかも分からないが、この写真を見ると胃が苦しくなる。ラーメンだの焼き肉だの、褐色の油っこいものばかりだ。タイで食べる日本食を、体がなんとなく否定している気がする。
アートさんはじめ日本食好きのタイ人には、日本に来て、もっと伝統のあるもうちょっと薄味の料理を味わってもらいたいと思ったりもした。
夜
宿に帰って、3人で飲もうということになった。宿の前の小さい小さいコンビニで酒とおつまみを買ってくると、薄暗い静かなリビングで粛々と酒席が開かれた。僕はビールがどうしてもダメなのだが、ウィスキーのコーラ割りが意外といけた。雑談、漫談、猥談は11時まで続いた。
そうは言っても、明日は9:10の便に乗るので、6時半には起きなければならない。いつもなら夜更かしもできるが、明日に備えシャワーを浴びて荷物をまとめて、日付の変わる前に寝た。その夜ドミトリーは、私とやあまんさんだけだった。
今日の歩数:11705歩
帰路
6時20分、無事起きられた。朝早いから誰にもさよならが言えないなと思っていたが、昨晩やあまんさんが、絶対起こしてくれよと言ってくださったので、お言葉に甘えて、出ますわ、と言って起こして、またチェンマイで会うことを願い、分かれた。
6時35分、まだ車の往来少ない大通りでソンテオ(乗り合いタクシー)を拾い、チェンマイ空港へと向かった。
ソンテオにて。 |
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