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秩序に偶然性の入り込んだもの

前にいとこが、スキのあるモノが好きだと言っていた。混じりけのない、整いすぎたモノじゃなくて、どこか不完全なところがあったほうがいい、ということだと思う。 僕もそういうのが好きだ。僕なりに言い換えるなら、秩序に偶然性の介入したもの。 この木の皿は決定的だ。耳付き、スポルテッドの木材からキレイに刳り出された皿。 View this post on Instagram A post shared by SML 【4/6-4/14 瀬戸本業窯 個展】 (@sml_nakameguro) on Feb 15, 2019 at 6:31pm PST 芸術の好みにもそれがある。 Aliza Razell や Stev’nn Hall に心動かされた。写真(写実)と絵画(書き手の恣意)が同居している。 自然作用というのは最高の介入のひとつだと思う。 拓本がそうだ。柳宗悦が「拓本の效果に就いて」という文章で書いていた。千年、二千年の時の間に摩耗した碑文を写し取った拓本には、肉筆の書にはあり得ない趣がある。風化という自然の作用が働いたからである。 竹の網み組みでも、傷や変色の部位をあえて使うことがある。作り手によっては捨ててしまうところである。自然に生じた傷のある竹をきれいにヒゴにこしらえ意味ある形に編んでいく。