壊れた古い竹かごを再生しました

ヤフオクで買った古い竹かごが、届いてみたら壊れていた。押しつぶされて、半分近くの竹が折れており、使用に耐えうる状態ではなかった。


かごは綺麗な飴色に変色していて、何十年も前のヴィンテージである。当時の職人が作った竹細工を壊すのは、いつもだったらおそれ多くて出来ないのだが、このかごに限っては、このままではただのゴミになってしまうこともあり、なおかつ作りも単純素朴だったので、補修することにした。

11月半ばのことなので、もうちょうど2か月前のことである。


かごは根曲竹の六つ目編みの浅いかごで、胴(側面のこと)が押しつぶされていた。胴部分を中心に、使われている竹の半分近くが折れていた。竹ひご自体も細身で柔らかく、これでは使いものにならない。

まずお湯につけて、竹を柔らかくしたら、縁の巻き竹から外していった。農作業に使われていたのだろうか、竹の、特に見えていない裏側は土ぼこりだらけだった。


巻き竹と芯竹は、問題なく再利用できそうだ。芯竹も土ぼこりで真っ黒だったので、洗う必要があった。洗って雑巾で拭くと、飴色が美しく現れた。


折れていない竹は再利用し、折れた部分は、4ミリに幅を揃えた新しい根曲竹を使った。


完全にバラバラにした後、新しい根曲竹を足しながら、底を編む。底に使われている竹は60本だったが、新しいものに取り替えたのはそのうち24本だった。


腰上げと縁巻きをして、再生完了。これで使用には問題なし。

だが、同じ形に復元することができなかった。元の形は背が低くて、縁の方に行くほど口が広がっていたのだが、再生後は背が高く、しかも寸胴になってしまった。口径は5センチ以上狭くなった。やはり、私が再生するには時期尚早だった。

コメント

  1. 形は前と違っても、再生できた事が素晴らしいです。竹細工いいですよね。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

「書道八段」は大した称号じゃない

「55個の母音を持つ言語」というギネス記録は間違いである

「お腹と背中がくっつくぞ」の勘違い