Chromecast発売:テレビCMの「キャストしよう!」の発音について話をしようか
グーグルは、今日5月28日からChromecastなる端末を発売する。 公式ブログ上で発表した 。 Chromecastは、スマホやタブレットなどをリモコンにして、テレビでオンラインコンテンツを楽しめる代物だそうだ。詳しくは、上のリンクの記事を読んで頂ければわかると思う。だが、私はここでChromecastの宣伝をしたいわけではないので、特に読んで分かっていただく必要はない。私が取り上げたいのは、6月7日から放映するという、テレビCMである。 まずはナイーブな心で、つまり下まで読み進めずに、このCMをよーく見てほしい。 CM中の言葉に、何か違和感を持った方はいるだろうか。(このCMに言葉はほとんど使われていないけれども。)もしいるとしたら、あなたは次の4つのうちのどれかだと思う。 1 ご年配の方である 2 アナウンサーである 3 音韻論学者である 4 約束を破って、見る前に続きを読んでしまった 私はこのCMのどこに引っかかったのか。実は、最後の「キャストしよう」の発音が、共通語のそれではないのである。もう一度聞き直して見てほしい。 本来「キャスト」という言葉は、共通語では「ゲスト」などと同じく、「高低低」で発音する [1] 。ところが今見たCMでは、「サスケ」などと同じく、「低高高」で発音されていたのである。「キャスト」の元々の発音と違うのである。ちなみに、共通語というのは、あまり厳密な話はしないので、ここでは東京近辺で話される日本語と考えて差し支えない。もしくはアナウンサーの話す日本語と考えてもよい。 たったそれだけか、と失望された方、まだBackSpaceを押すのは早い。実はこれ、日本語で現在進行している発音変化を反映しているのである。 私の発音した2つの「キャスト」。 横軸は時間(秒)、縦軸は周波数(ヘルツ)を表す。 左が「高低低」バージョン、右が「低高高」バージョン。赤線が音の高さを表す。 このように、実際の発音はそんなにきれいに高低は見えないが、違いがあることは分かる。 Praat を使用して作成。 日本語のこの音の高低は、アクセントと呼ばれ、発話において重要な役割を果たしている。例えば「雨」と「飴」は、(少なくとも東京方言では)前者が「高低」、後者が「低高」であることによって区別される。他にも...