2013年9月19日木曜日

レジ袋でできた縄を色々に使う

前回の記事で作ったレジ縄を、実際に使ってみた。

まずはしめ縄にしたい

この縄、材料こそ違え、手で綯った縄である。形は、どこをどう見ても、しめ縄に使われる荒縄のそれである。まずはしめ縄として使ってみるのが穏当だろう。紙垂(しで)を用意しよう。

紙垂を切る

僕の地元はこの形

ちなみにこの紙垂、私の地元(長野県)の切り方でやっているが、ネットでちょっと調べても、こうはっきりとした非対称形のものは出ない。紙垂の形にも地域差があるみたいだ。

紙垂を、縄に噛ませる

それはさておき、やってきたのは都内某所。紙垂を縄にセットした。

*しめ縄を色々なところに付けるというのは、デイリーポータルZの西村まさゆきさんの着想です。「ポータブルしめ縄でお前を神社っぽくしてやろうか」を参照。西村さんには許可をとって行いました。

しめ縄と言ったら、僕は正月の飾りを思い浮かべるのだが、神聖なものの前には張り巡らされていることが多い。神社にも掛かっているし、横綱も付ける。神道のアニミズムでもって、巨石や巨木にも巡らせる。

大きい木ならたくさん生えているので、そこら辺の大木を勝手にご神木にしてみたい。

ご神木が生まれた
神が宿った

縄の色が不自然なので、偽物だというのはかろうじてわかる。しかし、そこら辺の平々凡々の木が、一気に神秘性を帯びた。しめ縄の効果は絶大であった。

ちなみに2枚目は、後日私が個人的に撮影したものだ。背景の建物は、泰山荘の待合という建物だ。加工するとさらに神々しさが増す。

白黒にし、ノイズを入れ、背景を適当にぼかしたら、まるで戦前の写真。

しめ縄と適当なレタッチによって、由緒正しい神社の一角みたいになった。

洗濯ロープにしたい

聖の領域から、一気に俗の領域に転落する。縄なのだから、洗濯ロープにだって使える。

両端は木とアンチェコで支えています

わらの縄と違って、レジ袋の縄は腐らない。

縄跳びがしたい

手頃な縄があったら、縄跳びがしたくなる人もいるだろう。縄跳びでは飽き足らず、ダブルダッチをしたくなる人もいるであろう。

もちろん問題ない。飛ぶ人はいないけど。(猫でお送りしています)

本を運びたい


どんどん行かせてもらう。私はこの目で見たことはないが、昔の人は教科書やら本やらを、ひもで束ねて持ち運んでいた。「ブックバンド」という名前で今も売られているらしいが、僕らの縄でだって代用できるはずだ。

これだけの本も

こうして

こうすれば

運ぶことができる!

両手で抱えるほどの本も、縄の使えば片手が空く。学生は必携かもしれない。

ベルトにしたい

荒縄と聞くと、私は荒縄のベルトを思い浮かべる。番長とかバンカラと呼ばれる人の荒々しい服装のアイテムとしての、荒縄のベルトだ。普通のベルトの代わりに、荒縄。

小さいときに何かの漫画で見たのだろう。私には荒縄のベルトのイメージはかなり強いのだが、インターネットで調べてもあまりヒットしない。これはあまり他人の共感を得られないかもしれない。

そもそも、荒縄のベルト、という以外に、荒縄という言葉を使ったことがあるのだろうか。

まあ要するにこういうことです

わら製のものと違って、ほどけやすい(摩擦力が小さいから)というのが欠点の一つである。

レジ袋を断りたい

僕たちはレジ袋をリサイクルして、縄を作った。最後に、原点回帰してみてもいいだろう。

すなわち、買い物した荷物を、レジ袋に入れるのではなく、レジ袋の縄で縛って持ち帰りたい。

発案者のアンチェコいわく、「レジ袋を断ってレジ袋製の縄で包装する喜劇感」を味わい、さらに「昨今のエコバッグ運動に対する風刺」をしたいのだ。

レジ袋でもなく、エコバッグでもなく、大量のレジ袋でできた縄を用いるという本末転倒。復古的な手段にも見えて、革新的とも言える主張である。よくわからぬアバンギャルドである。

おなかがすいたので食べ物と飲み物を買う

だが、私たちは計画を見誤ってしまった。私たちの行ったスーパーが、よりによって品物をレジで詰めてくれるタイプのスーパーだったのだ。断ろうにも、自分で袋詰めするようなカウンターがなく、断れずじまい。結局、袋をもらってしまった。

(本当は)レジ袋はきっぱりと断るべし

だが、そんなトラブルは無かったことにして、あと少し、寛大な心で読んでいただきたい。

縛っても差し支えないような品を選んだが、重くて固いペットボトル飲料と、軽くて柔らかいクッキーをひとまとめにするのは、簡単ではなかった。

がんじがらめにして、やっとのことで固定された

四苦八苦の末、無事縛ることができた

成功した。形だけでも、成功には違いない。だがその後、重さと持ち運びにくさとあまりの不安定さに、結んだまま、すごすごとレジ袋に入れて持ち帰ったことは言をまたない。

こぼれ話

企画は以上である。

実を言うと、この日、しめ縄をポストにめぐらそうとしていたところを、近くにいた警備員に叱られた。その時点で、いろんな所で縄を使ってやろうという士気は一気に萎え、始終ビクビク、コソコソしながらの撮影になってしまった。その上、撮影が夕方だったため、よけいにもの寂しさが醸しだされた。

ともあれ、手綯いの縄の可能性は未知数だ。他にもいろいろな素材でできる気がするし、他の画期的な用途もあるだろう。

後日、余りもので細いのを作ったら、でき過ぎた。測っていないが絶対に十数メートルある。

2013年9月18日水曜日

大量のレジ袋で荒縄をつくる

これ全部、レジ袋だけでできている

荒縄とは、わらで作った縄である。現代ではあまり使わないが、正月のしめ縄飾りなどで、見る機会はたまにある。私は地元で農作業をよく手伝っていたので、荒縄はかなり身近で、人よりは慣れ親しんでいると思っている。そういうこともあって、私は実は縄が作れる。

いきなり話は変わるが、私の部屋にはスーパーなどでもらったビニール袋がたくさんたまってしまっていて、邪魔だ。

ある日閃いた。そのレジ袋で荒縄を作ってしまえばいいのではないか。

*この記事は、デイリーポータルZの西村まさゆきさんの記事「ポータブルしめ縄でお前を神社っぽくしてやろうか」から着想を得た。

***

ビニール袋は、スーパー、コンビニ、本屋などで、毎日のようにもらえる。私は極力もらわないようにしているのだが、上京してからの約2年半、捨てずにとっておいたら、100は裕にたまってしまった。いい加減邪魔になってきた。使い道はないが、捨てるのははばかられた。

そして、いつだったか、そのレジ袋を細く切って藁筋に見立てれば、縄が作れるのではないかと思いついた。レジ袋で作る荒縄、略してレジ縄。リサイクルにもなって、いい。キザな言い方をすれば、現代の消費社会と、過去の農業社会の邂逅である。

私の地元では、正月前に公民館でしめ縄講習会というのがあった。私は父に連れて行かれた際に教わっていて、縄とゴボウ締めくらいは作れる。だから毎年しめ縄を買わずにすんでいる。縄を作れる人は今どきそうはいないと思っているので、私のささやかな誇りである。

ちなみに、縄を作るのには「綯う(なう)」という動詞があり、私はそっちをよく使ってきたので、以下では「縄を綯う」と表現したい。

***

この企画を行うにあたって、中学生のころから一緒に数々の企画をしてきた友人のアンチェコ(@botti184)に、レジ袋で縄を綯わないかと誘ってみたら、一瞬で乗ってきてくれた。こんな酔狂な打診に、彼は聞き返しすらしなかった。さすが彼、持つべきものは友である。

アンチェコ(左)とももせ(右)です。

彼と縄を綯うのは実はこれで3回目である。1回目は中学3年の2学期の終業式の日(2007年)で、2回目は高1の天皇誕生日(2008年)だった。

この2つは高1のときに作ったもの(写真が小さくて申し訳ない)

ちなみに大学1年のときには草履も作った(そのときの記事

しめ縄の話ばかりしたが、今回レジ袋で作りたいのは、とりあえず縄、ただの荒縄である。

***

曲がりなりにも、せっかく昔の手仕事に思いを馳せるのだから、ロケーションは縁側があるような古民家がいい。というわけで、私の通う大学にある、泰山荘(たいざんそう)というところで綯おうと思う。

泰山荘入り口

この泰山荘は大学創立のはるか前からある建物で、文化財にも指定されている。キャンパスでも人の喧騒から隔絶されたところに、ひっそりと建っていて、学生はめったに来ない。私たちは、いくつかある建物のうち、縁側の広かった「書院」というところでレジ縄を綯うことにした。

書院

縁側

9月のある晴れた日の朝9時40分。まずレジ袋がどれだけの量なのかを見てみよう。

どばどば!

バサァ!

私だけでなくアンチェコも、このために袋を集めてくれたので、数としては、私:アンチェコ=2:1か3:2くらいだ。

写真では意外と少なく見えるかもしれないが、ほとんどは小さく畳まれているので、本当に大量である。(面倒くさくて数は数えていない。)これが後に合計16メートルもの縄になるのだ。

これらを細く切っていく。

持ち手を切って

側面をさばいて

細く裂く

単調作業な上、ビニール袋は非常に柔らかく、マチの部分の形が複雑だということに気づいた。切りにくいことこの上なく、きつい。

だから、こういう細くもなくまっすぐでもないのが往々にして生まれる

道のりがとても長いように思われた。これは切るだけで午前中を回ってしまうのではないか。そう思えた。

数十分の成果。まだまだ。

効率的な切り方を開発し、足を使い始めた僕。

途中、足を使い始めた。手仕事においては、四肢も道具になる。私の中の原始的ななにかが目覚たのだと思う。

さらに、側面を捌かなくても、そのまま切り始めたほうが速く巧く切れることが判明した。(なんで気づかなかったのだろう。)こうして能率は3倍くらいになった。

11時半ころ、多少手つかずの袋が残ってはいたが、十分な量は切れたと思ったので、綯い始めることにした。

切り終わりの図。左がアンチェコ(主に白)で右が僕(主に色つき)。

白いレジ袋が多かったので、まずは白い縄を作りたい。

綯い方だが、束を2つに分け、両手で強く挟み、右手を手前に、左手を奥に動かしながらねじる。基本的にはそれだけだが、慣れるには時間がかかる。文章だけで説明しても分からないと思うが、あとで動画をのせたのでそれを見ていただきたい。

できてるできてる!

さすがに藁よりは相当にやりにくいが(ツルツル、サラサラしている)、ちゃんと縄ができている。よかった!

10分でこのくらい

30分でこのくらい!

30分くらいで1メートルくらいができた。12時20分から昼食のため一時中断し、1時40分に再開。

縁側は常にこの乱雑(ごめんなさい泰山荘)

この1本はこれでいいとしよう

白いひもが少なくなってきた。手と目と腰が疲れてきたので、この1本はこれで完成とすることにした。縄からピョンピョン出ているのは、付け足したひもで、あとで切り取るので気にしなくてもよい。

でもまだひもは全く終わる気配がない。今度はカラフルな縄を作る。

父に教わったこの結び方も特殊なのだ。単純にして固い。

ぱっと見多かった、ベージュ系と群青系の2色の縄を作ろうと思う。

大手スーパーÆなどのベージュと、某中古本店Bの群青や某電気店Yの黒などが編み込まれている。

ホイホイ綯います

動画を撮った。


これを綯っていた気付いたことがある。袋に色が付いているということは、それだけ袋にお金をかけているということなのだろう。そのためか、厚手で硬く、綯いやすいのだ。対して白や透明のレジ袋は、薄っぺらくてへなちょこで、本当に綯いにくい。また一つ変な知識を得た。

遠くから見るとトラロープではないか

色合いはよくないが、出来上がったものを見るとトラロープそっくりだ。

ずっと座りっぱなしのうつむきっぱなしなので、そろそろ本格的に疲れてきた。腰が痛い。尻が痛い。目が疲れた。汗がべたつく。蚊に刺される。顔がゆがむ。手がスッベスベになったり、汗でベッタベタになったりする。

日が傾いてきた。時刻は5時になろうとしている。

だが、先は見えているのだ。ひもが、どんどん少なくなってきた。

色つきは、残るは暖色系のみだ

アンチェコは残った白系を担当してくれている

暖色系の3本目

某ディスカウントストアD、某ブックセンターI、某衣料品店Sなどの袋が、黄色や赤だ。買い物のレベルが知られてしまいそうだ。

3本目ともなると手つきはすっかり慣れ、どんどん進む。いや、疲労で仕事がいい加減になってきたのかもしれない。

5時半に、とうとう終わった。一時は終わらないかもしれないと思ったが、最後は追い込んで終わらせた。

少し残っているものがあるが、色的に使いにくかったからだという言い訳で勘弁してください。

終わった!

あとは、はみ出た部分をチョキチョキ切れば・・・、

終了!!(おおっと猫が)

暗くてよく見えないが、計4本できた。僕のが3本、アンチェコが1本だ。人の身長と比べてみると、その長さが分かる。

気になる長さだが、おおよそ以下のようになった。

アンチェコ白315c、ももせ白415cm、トラ350cm、暖色515cm

合計すると16メートル弱だ。

さて、作ったからには、使ってみなければただの邪魔。無用の長物だ。使ってみてその真価を問いたい。

日を改めて、この縄を色々に使ってみた。もう少しお付き合いください。下のリンクからどうぞ。