2013年8月31日土曜日

『親子丼の丸かじり』・『深夜特急』・『紙』

東海林さだお(2002)『親子丼の丸かじり』文春文庫
親子丼の丸かじり (文春文庫) [文庫] / 東海林 さだお (著); 文藝春秋 (刊)

焼き鳥の皮が食べたくなった。

沢木耕太郎(1994)『深夜特急1』新潮文庫
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫) [文庫] / 沢木 耕太郎 (著); 新潮社 (刊)

これも「丸かじり」シリーズ同様、チェンマイに旅行して読みたくなった本。正確には、読み返したくなった本。いま4を終えたところだ(全6冊)。

高校のとき英語の先生が紹介していて、中途半端に面白そうな4あたりだけを借りてみたら、前かがみであっという間に読んでしまった記憶がある。ノンフィクション。海外旅行が今ほど活発でなかった時代、私の倍くらいの年齢の人を、何人か世界へと突き動かしたか知れないという。

全くの偶然に、その前に読んでいた『親子丼の丸かじり』で東海林さだおが、香港で強行軍の食い倒れツアーをやったと思ったら、今度は沢木耕太郎が、これまた旅の起点の香港で、浮かされるような熱気と喧騒の中をうろついていた。時代もすこし違うだろうが、彼らの2つの香港は空気がまるで違う。「丸かじり」の香港は、お日さまサンサン、気分ルンルン。対して『深夜特急』の香港は、どんよりムンムン、喧々囂々。共通なのは、どちらも刺激的で、強く惹かれることだ。

これを読むと、私がチェンマイでいかに無難で平凡で当たり障りのない日々を過ごしたかを思い知らされる。

寿岳文章 編(1988)『日本の名随筆68 紙』作品社
(画像なし)

私はどうも和紙が好きらしい。津村節子の和傘の話、芝木好子の「和紙を漉く町」、安倍永四郎の正倉院の雁皮紙の話、などにはため息が出そうになる。3月には独り岐阜県に行き美濃の紙漉きを体験した。寿岳文章は4月にひとつ読んだ。

2013年8月25日日曜日

『正書法のない日本語』・『味』・『書』

今野真二(2013)『正書法のない日本語』岩波書店
正書法のない日本語 (そうだったんだ!日本語) [単行本(ソフトカバー)] / 今野 真二 (著); 岩波書店 (刊)

日本語の表記には選択肢がある、というのが、本書を貫く主張。日本語には漢字、ひらがな、カタカナがあるという例のお話だけではない。漢文、万葉仮名から始まり、日本語には様々な表記のしかたがあった。(上から目線も甚だしいが)よく調べてあると思う。けど、目新しさはそれほどなかった。今月上旬、3時間くらいで一気に読む。

田辺聖子 編(1983)『日本の名随筆12 味』作品社
(画像なし)

4月に読んだ「日本の名随筆 別冊」に続けて、興味があるものだけ読んでいる。

「味」は、開高健、北大路魯山人、司馬遼太郎など、なんとか名前くらいは聞いたことがある人から、初めて存じ上げる人までの、30ほどのエッセイを収録。邱永漢の「食在廣州」には、彼の食通ぶりと食の奥深さに恐れをなし、藤沢桓夫の「大阪人はうどん好き」で、大阪のきつねうどんが食べたくなった。

小松茂美 編(1988)『日本の名随筆64 書』作品社
(画像なし)

「書」は、編者の傾向か、堅いものが多かった。恥ずかしい話だが筆者の中でも伏見冲敬、井上靖、夏目漱石くらいしかよく知らなかった。「秋萩帖」、会津八一、篠田桃紅などは今後チェック。遺偈(ゆいげ)、臨摹(りんも)は読み方がわからなかった。

2013年8月23日金曜日

チェンマイ食いまくり歩きまくり記 7日目


24日(水)最終日

ごろごろの午前

8時45分に起きた。最後の日になって寝坊した。

ベッドから降りたら床が濡れている。雨は止んでいるのに、時間差で雨漏り。まじかよ。取りあえず雨漏りは無視して、朝ごはんを買いに行く。

ご飯15B、茶色いの10B。

右の春雨入りのやつ、香草はまだいいとしても、魚の骨みたいな硬いでかい塊を噛んでしまって、一気に興ざめ。

宿の前の洗濯屋さん。2回お世話になった。

昨日宿を出た19歳の彼女から、星新一のショートショートをもらっていた。日本語に飢えたバックパッカーたちが、互いの本を交換するというのは『深夜特急』か何かで読んだことがある。たぶんそれなのだ、たぶん。私は長期旅行者じゃないんだけど。

午前中は、星新一を読んだりパソコンをしたりしたら潰れた。

豪華な昼食

お昼ごはんを、やあまんさんとタイ人スタッフ(ニックさん)と一緒に行った。バイクに乗っけてもらって少し遠出。

「อีสานล้าน%(イサーン100万%)」というお店

連れて行かれたのはイサーン料理のお店。イサーンというのは「東北」という意味なんだそうで、タイ東北部の料理を出している。(Wikipediaで調べるとチェンマイは東北地方ではないんだそうで。)

やあまんさんに、イサーン料理を食べないのは、日本に来てごはんと味噌汁と焼き魚を食べないようなもんだよと言われ、ここに来てよかったと思う。

注文はニックさんとやあまんさんに任せると、出てくるわ出てくるわ、イサーン料理の定番セット。

まずは豚ののど(คอหมูย่าง)。おいしい!

そして鶏肉(ไก่ย่าง)。もちろんおいしい!

左はもち米。手で食べる。

ラープ(ลาบคั่ก)。挽き肉で少し辛い。

トムセープ。これがむせるほど辛い。

これがソムタム(ส้มตำ)。白いのはパパイヤ。甘味はない。

はい揃った。

贅沢なセット。タイ最後の昼食を飾るにふさわしい食事である。トムセープは辛すぎて味わうどころじゃなかったが、どれもとてもおいしい。

後ろを振り返ると、壁に何十枚も写真が掛けられている。ここに食べに来た有名人の写真だ。どうやらこの店は結構いいところらしい。そう言われてみると結構大きいしきれいだ。なにせインラック首相の写真まであったんだから!

国立博物館とワット・チェット・ヨート

午後2時半、今日も歩数を稼ぐべく、かねて行こうと思っていたチェンマイ国立博物館と、その道すがらのワット・チェット・ヨートに行くことにした。中心街から離れているので、行きは乗合タクシーを使った。


View Chiang Mai Trip 2013/07/18-25 in a larger map

ワット・チェット・ヨートまで乗せてもらって、博物館まで歩いて行こうと思ったら、道が車がビュンビュン飛び交うハイウェイであることに気づき、ものすごく不安になる。まず、ここを歩いていいのかという疑問と、明らかに歩行者を想定していない道路を衆人環視のもと独り歩くという、決まりの悪さ、恥ずかしさ。

歩行者が人っ子一人いないどころか、車に乗っていない生身の人間は、時たま道端で露店を開いている人のみ。そこを現地人らしからぬ人がほっつき歩いていたら、場違いもいいところ。あたかも道に迷った旅行者ではないか。

滞在中だんだん分かってきたのだが、タイは、少なくともチェンマイは、歩行者にやさしくない。チェンマイ人にとって、移動手段は車かバイクであり、歩いて数分のところでもバイクを使う。そんなわけで歩行者のための信号はないので、大通りを渡るのは一苦労なのだ。日本の常識でもって徒歩で移動すると、市街地でない限り歩行者が他にあまりいないので、浮く。現地人になりきるには、バイク(か自転車)を借りたほうがいいのだ。

しかも蒸し暑い。

距離感覚も分からないし、一向に案内板もないので、この道で合っているのかと思い始める。1キロ以上は歩いたろうか、暑さにバテそうだったので本当は数百mだったかもしれないが、それらしい道に入るとそれらしい建物がようやく見えた。地味に看板があった。ここに来られただけで達成感。

門。たしかにここなようだ。

どこかひと気がない。門を入ると受付か守衛のようなところがあって、人がいたが、お金はどこで払うのだろう。知らぬ顔して通りすぎても呼び止められなかったので、入口の方へ向かう。


入口が閉まっているような気がして嫌な予感がするが、

「休館日 Asanha Buchaの日 7月24-25日」

えぇ!おい、休みじゃないか!

火曜日休館だというから昨日は来なかったのに、汗を流してここまで来て、休館日とな? 急に疲れた気がした。

タダで帰るわけには行かないので、負け惜しみに、建物の前に移設してあった炉の遺構を撮ってきた。

これと、

これ。

あと、何もなさそうだったが建物の周りも歩いてみた。殺伐としたハイウェイからわずか数十mにあるとは思えない、樹陰濃き敷地。表はきれいに整備されていたが、裏に回るとゴミだらけだったのに幻滅。

疲労感以外に得るものがないまま、荒涼とした炎天のハイウェイに戻り(実際は曇っていたのかもしれないが、僕の感覚では炎天だった)、ぽつねんと歩く。赤い乗り合いタクシーが途中何台か、乗るに違いないと思ってか、私のそばでスピードを緩める。だけど私はワット・チェット・ヨートに行きたいので、無視させていただく。もう決まりが悪いったらありゃしない。

ワット・チェット・ヨートは『地球の歩き方』に載るくらい歴史ある寺院なので、初めてちゃんと寺院観光をするのだし、せめていいところであってほしいと願った。

人はポツポツいてなんか安心したが、こんな周囲に何もないところに来る観光客も物好きだなと思った。お参りに来た現地の人がほとんどではあったが。

期待は裏切られ、見どころが少なかった。感動があまりない。

ほぼ唯一と思われる見どころの建物。15世紀の建立という。

お寺で撮ったのはこの2枚のみ。

ここでも得るものが特に無いまま、帰路につく。車の往来激しいハイウェイ脇を、また南下する。なんかみじめ。

やっとハイウェイの終わる交差点まで来たら、ホッとした。やっと道沿いに店があり、歩道があり、人の気配がある。それでも歩行者は弱い立場に置かれるのであるが。

宿に着いた時間は、日誌には「15:50?」と書かれている。嘘だ。2時半に出たから、たった1時間20分で今までの行程を来たというのか。熱暑に浮かされて時間が長く感じられたとしても、にわかには信じがたい。

アートさん

今日、宿には見知らぬタイ人が来ていた。宿泊客ではなく、誰かの友達という感じだった。彼はアートさんといって、日本の女の子が大好きで、ニックさんと同じ日本語学校に通っていたから日本語がかなり話せる。

彼、いろいろ話しかけてきて、帰った後はなんだかんだアートさんと話していたら時間が潰れた。

雨が降っていたけど、6時半に日本へのおみやげを買いに行くのにも付き合ってもらった。

近所の例のショッピングモールで、ココナッツビスケットやドライパパイヤやバナナのお菓子やカップラーメンを買った。

日本食

アートさんとやあまんさんとで夕食に行くことになった。最後の晩餐。近所の「忍者ラーメン」というところで日本食になった。滞在中は日本食は食べないと決めていたけど、まあいいや。

初めて見たという理由でバターラーメンにしてみたが、あんまりタイ風に染まっていなくて、かなり日本だ。タイ料理もかなり味が濃いが、日本のラーメンも濃いと気付いた。なんか面白みがない。

バターラーメン

焼き肉のどんぶり。彩度が高い。

アートさんは牛の焼き肉のどんぶりだった。やあまんさんはカレーだったような気がする。今これを書いているのが食事後だからかも分からないが、この写真を見ると胃が苦しくなる。ラーメンだの焼き肉だの、褐色の油っこいものばかりだ。タイで食べる日本食を、体がなんとなく否定している気がする。

アートさんはじめ日本食好きのタイ人には、日本に来て、もっと伝統のあるもうちょっと薄味の料理を味わってもらいたいと思ったりもした。



宿に帰って、3人で飲もうということになった。宿の前の小さい小さいコンビニで酒とおつまみを買ってくると、薄暗い静かなリビングで粛々と酒席が開かれた。僕はビールがどうしてもダメなのだが、ウィスキーのコーラ割りが意外といけた。雑談、漫談、猥談は11時まで続いた。

そうは言っても、明日は9:10の便に乗るので、6時半には起きなければならない。いつもなら夜更かしもできるが、明日に備えシャワーを浴びて荷物をまとめて、日付の変わる前に寝た。その夜ドミトリーは、私とやあまんさんだけだった。

今日の歩数:11705歩

帰路

6時20分、無事起きられた。朝早いから誰にもさよならが言えないなと思っていたが、昨晩やあまんさんが、絶対起こしてくれよと言ってくださったので、お言葉に甘えて、出ますわ、と言って起こして、またチェンマイで会うことを願い、分かれた。

6時35分、まだ車の往来少ない大通りでソンテオ(乗り合いタクシー)を拾い、チェンマイ空港へと向かった。

ソンテオにて。

2013年8月16日金曜日

チェンマイ食いまくり歩きまくり記 6日目


23日(火)

おいしいデザート

何回目かのスヌーズで起きる。ドミトリーの人はまだみんな寝ている。(早起きだったけいたさんはおととい出発した。)玄関の鍵を開け、朝ごはんをを探しに行く。

何か目新しいものはないかと物色していると、屋台のおばちゃんが、これおいしいよとかなんとか言っている。見覚えがあるものだった。白くて甘いシロップ(ココナッツミルク)に、寒天状の物やタピオカとかが入っているやつで、前にチェンマイに来たときに1回食べた。すごくおいしかったのだが、名前は分からずにいて、ここで再会できてうれしい。

ご飯とそれにするつもりだったけど、その前に触っていた正体不明の揚げ物も袋に入れられちゃった。まあいいや、おやつにすれば。

ご飯15B、ココナッツミルク12B、揚げ物5B

このココナッツミルクのデザート、後日はお目見えしなかったから、おめでたいときにだけ食べるものかもしれない。あとで考えてみると、今日は仏教の祝日だった。はじめショウガに見えた不思議な形の揚げ物は、揚げパンだ。朝食にこの3品ははちと多かった。

カボチャも入っていた。カボチャと思えないほど甘い。

ごろごろの午前

いままでの記事でだらだらと長文を書いたけど、今日のは短くなりそう。なにせ午前は何もしていないから。というかおしゃべりしかしていないから。

すっかり仲良くなった宿の女性2人とリビングでひたすらしゃべっていたと思う。こういう無為な時間が幸せ。

11時半、昨日買ってきたマンゴーとドラゴンフルーツを3人で食べた。

1個は昨日食べました。

ドラゴンフルーツは4つに切ってスプーンですくって食べる。初めて食べたが、けっこう淡泊。 桑の実の味に似ていると言ったが、宿の誰も桑の実を知らなかった。小学校からの帰り道に食べなかったの?(桑の実で画像検索



13時40分、3人でカオソイを食べに行った。この前やあまんさんに教わった店に、今度は私が案内してあげたというわけだ。2度目のカオソイ。

「カオソイ鶏肉のせ2つと、豚肉のせ1つ」
とタイ語で注文したら完全に通じて、すごくうれしかった。


今回は豚肉のを試したけど、オーソドックスな鶏肉の方が好きかも。改めて言うが、こんなおいしいのが100円ちょいで楽しめる。

ワローロット再び

今までずっと毎日11,000歩以上歩いているが、今日は全然歩いていない。今日もワローロット市場に行って、歩数を稼ぐことにした。

出る前に、そこのタイソーセージがおいしいと言われたので、買って食べてみた。


ドイ・ステープで食べたのよりかなり小さいが、味は同じだった。5バーツ。

ワローロット市場の本体は、3階建てくらいの大きい建物だった。昨日はその周りの屋台だけを見て、それが市場全体だと思っていたから、とんだ勘違いだった。建物の中は、新世界が広がっていた。1階しか見ていないが、そこは主に調味料、食料、仏具、日用雑貨が業務用サイズで山積みされていて、私のような人が買いものするところではない。2階は衣料。



今日も新しい果物を探しに来た。よく聞くけど食べたことがない、マンゴスチンに決めた。何か所かで売っていたけど、一番安い1キロ15バーツ(50円)のを買ってきた。十数個はある。日本だと50円で1個買えるかもあやしい。


ニンニクや鷹の爪(唐辛子)は、私は好きで日本でよく使うので、それとなくチェックしていたが、小袋に詰めた唐辛子が5バーツだったので一つ買ってきた。(帰国後使っているが、日本のスーパーのより辛くてよい。)長持ちするから、もっと買ってくればよかった。

マンゴスチンを食べる

5時半に戻って、さっそくマンゴスチン。紫色の厚い皮を爪でこじ開けると、ほろほろに柔らかい白い実が詰まっている。甘くておいしい。2個目、ありゃりゃ腐っている。3個目、これまた悪くなっている。おいどうした、ほとんど腐っているじゃないか。

安さが祟った。ハネモノを安売りしていたのだろう。宿のタイ人のスタッフによれば、大雨の影響で不作だったのかもしれないとか。結果食べた量は、ちょうど一人二人が楽しめるくらいになった。

これを読んでいる方でワローロットのマンゴスチンを買いたくなったら、けちけちせずにキロ30バーツくらいのを買いましょう。

マンゴスチンを食べながら、やあまんさんとタイ人スタッフの語彙力にひたすら驚いていた。彼は日本語がペラペラなのだ。日本語の単語をスマホに大量にメモしていて、日本人でも知らない単語や漢字が満載だった。「侘しい」とか「鬣(たてがみ)」とか「委ねる」とかを知っている彼にも、複合動詞は難しいんだとか。

嵐の夜に

そんなこんなの話に花を咲かせ、8時過ぎ、やあまんさんと、今日新しく泊まりに来た男性と、3人で晩ごはんを食べに行った。また3軒屋台の右。

豚肉の何か。40バーツ。

食べている最中、大雨が降りだした。帰れない。

ビニール袋をかぶって帰る老ご夫婦。
こんな仲睦まじい夫婦になりたい。

降りが弱くなったのを見計らって帰ると、玄関が雨漏りしていた。

午前中しゃべっていた二人は、午後にそれぞれ次の目的地に発ったので、ドミトリーは僕ら男3人だけだった。冷房の効きすぎたドミトリーで、主に僕とやあまんさんとで、夜遅くまで歓談、雑談。

今日の歩数:13525歩

2013年8月14日水曜日

チェンマイ食いまくり歩きまくり記 5日目


22日(月)

悩む

7時半、起きる。


朝ごはんは、違うものを食べようと思って、魚にしてみた。名前は知らぬ。15バーツ。ごはんも、チャーハン+玉子のせなので15バーツ。 チャーハンは相変わらずおいしいけど、魚はカリカリに揚げてあって、身が少ない。物足りない。

昨日もらったランブータン。冷やして食べるとおいしい。

この宿、4泊しか予約していなかったので、今日チェックアウトして、他の宿を探す予定でいた。でも、ここすごく居心地が良くて、延泊するか迷っていた。

それに、もうチェンマイでの目標はだいたい果たした。毎食タイ料理食べてるし、友達にも会えた。今日から、急に暇になった。それどころか、士気が落ち込んできた。宿でダラダラしているだけも幸せなのだ。1週間も同じ都市は、ちょっと長かったのだ。

他の都市を点々としている宿のみなさんにつられて、急遽予定を変えてどこかに行こうかと考え始めた。まだまるまる3日ある。チェックアウトの時間までに、今後の予定を決めなきゃいけない。

行くとしたら、チェンライだと思った。チェンマイよりさらに北にある都市で、バスで4時間弱。今日出て、観光して、一泊して、観光して、それで明日の午後にでもまたこの宿に帰ってくればいい。チェンライは小さい都市だから、短い時間でもまわれる。私が特に見たかったのは、友達がおすすめしていたワット・ロン・クンというお寺。タイのデザイナーがデザインした白くて新しくてコテコテのお寺だ。

でも、ワット・ロン・クンはチェンライの中心からはかなり遠いのだ。バスでチェンライまで行って、またバスでワット・ロン・クンまで行って、また中心地まで戻るというのは、正直面倒臭い。そういう面倒臭さを急に覚悟できるほど、私は実行力にあふれていない。そういうのは日本でちゃんと計画して心の準備をしておきたいのだ。

チェンライでの宿だが、一応よさそうなところは見つけた。バスも、宿のタイ人のスタッフにいろいろと調べてもらったところ、(確か)片道260バーツだという。思ったより高いが、財布には余裕がある。

『地球の歩き方』と、にらめっこする。タイまで来たのだから、いろんな経験をしたいという気持ちと、それにかかる少なからぬ時間と手間と労力との葛藤に、悩みに悩む。私はそういう損得勘定にすごくこだわってしまう神経質なやつなのだ。

12時。もうチェックアウトしなければ。

私のものぐさが勝り始めた。面倒臭いのだ。これからいそいそと荷物をまとめて、バスのチケットを予約して、宿を予約して、遠いバスターミナルまで行って、というのが。チェンライに何があるのかもよく調べずに、それだけの時間と手間と労力をかける意味があるのか、それより、もっとチェンマイを探検したほうが楽しいんじゃないか、と、ものぐさな僕が野心家の僕を説得し始めた。

チェンマイにいれば、頼りになる友人がいる、日本語がある。まだ食べていない料理、果物もたくさんある。まだ行っていない場所もある。

悩みに悩んだ結果、私はチェンライ行きを諦めた。12時過ぎ、バスの値段を一生懸命探してくれたのには申し訳ないけど、スタッフに「延泊します」と告げ、もう3泊分の料金を払った。

後悔はない。これでよかったのだ。やあまんさんに報告したら「ここにいてよ」とも言われ、すっかりすっきりした。

気分は晴れやか。さあ、ココナッツビスケット食べ比べ第2回大会をしよう。

ココナッツビスケット食べ比べ その2

おとといのココナッツビスケットは、たくさん入っていなくて物足りなかった。その2倍くらい入っているやつを昨日見つけたので、また食べ比べてみようと思ったわけだ。否、単純に食べたかったのだ。

サブレはおとといの余り。

見た目はだいたい同じですな。

上がタイ、下が日本。

結果は、おとといと同じだった。食感は、日本のがちょっとだけフワフワ。日本のがわずかながら身が詰まっていないというのは、厚さの違いを見れば分かる。そして、タイのは甘みがすこし強い。

などと、知った顔をしつつぼりぼり食って満足すると、昼寝をしてしまった。ぐうたら。午後2時。昼食をとらねば。

3軒屋台で昼

一人で3軒屋台の左に行ってきた。この店は料理の写真が大きく壁に掛けてあったので、うまそうなのを指さす。


チャーハンのようなものが出てきた。茎がでかい。味はあまり覚えていない。あとでやあまんさんと話したら、カーオ・パット・ガイ(鶏肉入りチャーハン)と判明した。

ワローロット市場

3時になる。今日の午後は何しようか。旧市街の東側はホテルなども多く栄えている地区だが、まだ行っていなかった。大きい川も流れているから、ターペー門(お堀の東)から川に向かって歩いてみようか。

乗り合いタクシーでターペー門までいき、地図を頼りに東へ2、30分歩くと、花屋が並ぶところに来た。何十mも並んでいる。


あれ、今度は果物屋が並んでいる。すごい、何でもある! それに、食べものもある! 何と、食器やバケツみたいな日用雑貨まで、所狭しと売っている。何なんだここは?

ドリアン、シャカトウ、ランブータン



地図によれば、ワローロット市場という市場みたいだ。しばらく歩いて気付いたが、観光客が少ない。そのためだろうか、果物が安い。ここはタイ人が買い出しをするところなのだろうか。

賑わってる。タクシー(赤いの)の多さよ。

果物は、食べられるだけいろいろ食べてみるつもりだったので、これはすごくいいところを見つけた。パイナップルは切って売っていず、さすがに1個買っても食べきれないと思ったので諦めて、まずマンゴーを買った。どこの屋台も売っていたが、僕の買ったところは20バーツ。1個で20だと思ったら、なんと4個詰めてくれるじゃないか。1個5バーツ(18円)である。安い、安いよ!

あと、赤くてでかい、パッションフルーツかドラゴンフルーツとかいうやつを1個買った。(後で確かめたらドラゴンフルーツ。)量り売りで30バーツ。安いぜ!

あと、腹が減ってきたのでコロコロした正体不明の揚げ物を買って食べた。もちもちしたドーナツで、何も入っていない。だけど甘みがほんのりついているので食べられる。


一応、市場の背後の川も眺めてみた。ピン川という、最終的にはチャオプラヤ川へと合流する川だが、汚かった。

収穫はマンゴー4つとドラゴンフルーツ1つ。宿の人におすそ分けしても、今日と明日は楽しめる。

大雨に降られた

帰路についてすぐ、雨粒が落ちてきた。おっと、やばい、スコールが降る気がする。ターペー門までは歩くつもりだったが、その前に土砂降りはちょっと困る。15分くらいどきどきしながら歩いたが、なんとかタクシーを見つけ、乗り込んだ。

乗って数分で土砂降りになってきた。窓から水が入ってくる。よかった。

降りるころには、道路に大きい水たまりができるほどの豪雨になっていた。宿までの200mも歩けないくらいなのだ。降りたところがショッピングモールなので、地下の食品売り場をぶらぶらすることにした。

30分もぶらぶらしたが、普通はすぐ止むところをなかなか止まず、待ちかねて、弱くなってきたところで濡れながら宿に戻った。17時45分。この日は結局、珍しく夜遅くまで降っていた。

晩ごはんは、またまた3軒屋台。宿の友達二人と、今度は右端の店で食べた。(3軒屋台はこれでコンプリート。)

カレー風味。おいしい。100円。

店内。蚊が多い。

夜にマンゴーを食べたが、甘かった。そういえばタイでは未熟な青いマンゴーも食べるのだが、あれは固くて味が無くておいしくない。でも黄色いやつは、僕の知っているマンゴーの味だ。めちゃくちゃ安い本場のマンゴーを食べる。しあわせ。

突然、将棋

今夜は、バックパッカーのご夫婦が泊まる。7ヵ月の世界一周がタイで終わるのだという。そして、何日か前から泊まっている、19歳のバックパッカーの子がいて、やあまんさんからいつの間にか将棋を習っていた。僕が感心するくらいに熱心に勉強していて、その夜、試合しているところを見たいと言い出した。それ以前に、宿に将棋があることが驚きだが。

そのときドミトリーにいた男性陣(やあまんさん、世界一周のご主人、僕)は全員将棋は知っていて、やあまんさんは強そうなので、ご主人と僕が対局することになった。臆面なく私が勝たせていただいて、自分の面の皮の厚さを恥じたのはいいが、今度はご主人とその子がすることになった。彼女にとっては初めての対局である。タイのゲストハウスに、日本な空間が出現した。夜の11時半である。


随分詳しく将棋のことを書くが、これが意外とすごくいい勝負だったのだ。彼女、始める前は、教えて下さいとか言っていたし、囲いも定石も知らなかったが、始めてみると、初心者にしては侮れない手を打つのだ。もちろん駒の動きも全部把握している。さすがに初めての対局だから、王手飛車取りを見逃したりして負けてしまったが、途中まで勝負の行方は分からなかった。頑張れば勝つこともできた。

生まれて初めての将棋で、なかなかうまく打つ彼女を見て驚いたのでした。いま将棋を知っている人は少ないみたいだけど、ここに将棋人口が一人増えたのだった。

将棋のせいで、就寝は遅くなった。

今日の歩数:13176歩